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TCIメール No.116 | 東京化成工業

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炭素ラジカル生成触媒の発見と合成反応への利用

関西大学 工学部・KU-HRC 教授

石井

康敬

助手

坂口

1. はじめに

 アルキルラジカルに代表される炭素ラジカルは反応性に富んだ化学種であり,炭素ラジカ ルを生成させる種々の方法が近年活発に研究され,広く有機合成反応に利用されている。典 型的なアルキルラジカルの生成法として,臭化およびヨウ化アルキルをAIBNのようなラジ カル開始剤の存在下Bu3SnHや(Me3Si)3SiHと反応させる方法,Bartonエステルやアシルペル

オキシドの熱分解,金属イオンによる一電子酸化による方法などがある。1) しかし,これら の方法のいずれもが量論的な反応であり大量の合成反応に利用することは難しく実験室的な 規模での使用に限られる。工業的なアルキルラジカルの生成を経る反応として,アルカンを ラジカル開始剤や光照射下で反応させる方法がある。この方法はアルカンの自動酸化反応に 利用されているが,高温で行う力ずくの反応となっており,このような条件のもとでは,ア ルカンの炭素−水素結合の切断のみならずそれらの結合エネルギーより低い炭素−炭素結合 の切断も同時に生起するため,反応の選択性が低く反応効率も満足の行くものになっていな い。2) これまでアルカンの炭素−水素結合を穏和な条件でホモリティックに切断し,炭素ラ ジカルを選択的に生成させる一般性のあるよい方法がなかった。この目的を実現するために は,穏和な条件のもとで働く新規な炭素ラジカル生成法の開発が必要となり,これが可能と なれば有機合成上極めて価値のある合成手段を提供することになる。  最近,我々は N- ヒドロキシフタルイミド(NHPI)から生成するフタルイミド N- オキシル (PINO)ラジカルが穏和な条件のもとでアルカンを含む種々の炭化水素類,アルコール, エーテル,アセタール,アルデヒドなどの化合物の炭素−水素結合から水素原子を引抜き, 相当する炭素ラジカルを極めて高い選択性で与え,しかも触媒的に行えることを見出した。3)

NHPIは「炭素ラジカル生成触媒」(Carbon Radical Producing Catalyst)(CRPC と略記)と呼 ぶことができ,CRPC による触媒反応はこれまで一般化されておらず,新しい概念の触媒反 応となった。CRPC を利用することによって,アルカンからケトンやカルボン酸などの含酸 素化合物,ニトロアルカン,アルキルスルホン酸,オキシアルキル化物等など,従来困難で あったアルカンの官能基化が穏和な条件のもと極めて容易に高い選択性で達成されるように なった。例えば,これまで硝酸酸化を経て製造されてきたアジピン酸のようなジカルボン酸 類をシクロヘキサンの酸素酸化によって一段で収率よく合成できるようになった。硝酸酸化 法では生成が避けられない亜酸化窒素(N2O)は炭酸ガスの 300 倍以上の高い地球温暖化効 果をもつ化合物であり,N2Oの副生なしにアジピン酸が製造できるようになったことは,グ リーンケミストリーの観点からも大変重要である。CRPCを用いる反応はアルカンからのア ルキルラジカルの革新的な生成法であり,化学工業界に大きなインパクトを与え,CRPC 法 を用いる反応の一部は既に工業化されている。

(3)

2. 触媒的炭素ラジカル生成法の創出

 NHPI が触媒的に用いられた最初の報告例は,1977 年の Grochowski らのグループによる, エーテルのアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)への付加反応である。4) 反応の詳細な説明 や PINO の生成を実験的に確認していないが,この反応がラジカル禁止剤の存在により進行 しないことからScheme 1に示すような反応過程が示されている。NHPI のヒドロキシイミ ド基の水素が DEAD に付加し,フタルイミド -N- オキシル(PINO)と付加ラジカルとの平衡 が成立する。ここで生成したPINOがエーテル酸素のα-炭素上の水素原子を引き抜きラジカ ル種Aを与え,その後DEADに付加して付加ラジカルBが生成する。Bはエーテルから水素 を引抜き付加体Cが得られるというものである。 Scheme 1.  一方,1983 年に Masui らのグループは,NHPI が2級アルコールのケトン体への電解酸化 のメディエーターとして働くことを報告した。5) この反応では陽極で生成した PINO が,ア ルコールのα- 炭素上の水素を引き抜くことで,ケトンへの酸化を促進するものと考えられ ている(Scheme 2)。 N N EtO2C CO2Et NOH O O NHPI A N N EtO2C CO2Et H NO O O PINO PINO R1 O R2 NHPI R1 O R2 B A B R1 O R2 N EtO2C NCO 2Et + + + + + EtO N N 2C CO2Et + R1 O R2 R1 O R2 N EtO2C H N CO2Et + A C Scheme 2.  我々は,平均組成がほぼ (NH4)5H6PV8Mo4O40で示せるモリブドバナドリン酸塩(NPMoV) を用いるアルコールの酸素酸化反応を研究する過程において,NPMoV 触媒単独では反応し ないがNHPIを組み合わせることで反応が促進されるものと考え検討を行った(Scheme 3)。 NO O O NOH O O NHPI PINO + 2H+ 2 2 R R R R OH O -2e -anode

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期待通り反応が進行することが明らかになったが(path a),驚くべきことにNPMoV 非存在

下NHPI触媒単独でアルコールの酸素酸化反応が進行することを発見した(path b)。これは,

分子状酸素(三重項ラジカル分子)と NHPI が反応して PINO を生成し,PINO がアルコール から水素原子を引抜きケトンを与えたものと考えられた。NHPIからPINOの生成を確認する ため,NHPI をベンゾニトリル中で分子状酸素に曝し ESR を測定したところ,Fig. 1に示す ように PINO に基づく三重線が観察された。  PINOは穏和な条件のもと有機基質の炭素−水素結合から水素原子を選択的に引抜き炭素 ラジカルを生成し,自身は NHPI にもどる CRPC として働くことがわかった。炭素ラジカル は反応性に富んだ化学種であるため,酸素を始めとする種々の分子で捕捉することにより 様々な官能基を導入することができる。以下に述べる NHPI を用いる様々な触媒反応はこれ までの有機合成手法になかった新しい概念を含むものであり,合成反応に新しい道を切り開 いたものとして注目されている。 Scheme 3.

Figure 1. ESR spectrum of PINO NO O O NOH O O O2 (1 atm) R1 R2 OH R1 R2 O 1/2 O2 H2O ox.NPMoV red.NPMoV H2O 1/2 O2 (b) (a) NO O O PINO

(5)

3. アルカンの酸素酸化反応

 6,6- ナイロンの原料となるアジピン酸は,シクロヘキサンの自動酸化を経て,現在世界で 年間二百数十万トン製造されている。まず,シクロヘキサンを Co 塩の存在下,空気酸化に より一旦シクロヘキサノン/シクロヘキサノール(K/A オイル)へ変換した後,K/A オイル を硝酸で酸化しアジピン酸を製造する二段階プロセスが広く採用されている。6a) この方法は 1940 年に DuPont 社によって開発されたものであるが,基本的には現在もこの技術が踏襲さ れている。特に一段目の反応はシクロヘキサンの C-H 結合(結合解離エネルギー 99.5 kcal mol-1)の切断を含むもので,空気加圧下 150-170 ℃の厳しい条件で反応を行う必要がある。 副反応を抑制するためシクロヘキサンの転化率を 3-5%程度に抑える必要があり,反応効率 の点で満足できるものでない。二段目の硝酸酸化では地球温暖化物質となる大量のN2Oを副 生し,硝酸酸化によらないアジピン酸製造法の開発は化学工業界にとって焦眉の課題となっ ている。一方,過酸化水素を酸化剤としたシクロヘキセンからアジピン酸への酸化反応が報 告されており,グリーンルートとして注目されている。6b)  我々は,NHPI と極少量の Mn 錯体を組み合わせることにより,常圧の酸素雰囲気のもと シクロヘキサンをアジピン酸へ一段で酸化できることを見出した(Eq. 1)。7) NHPI 単独で はほとんど酸化は進行しないが,Mn 錯体を少量(0.5 mol%)加え反応を行うと,70%前後 の転化率と高い選択性でアジピン酸を得ることに成功した。また最近,無溶媒条件下でのシ クロヘキサンの酸化反応にも成功している。8) NHPI 触媒はシクロヘキサンのような非極性 溶媒には難溶であるため,シクロヘキサンの無溶媒空気酸化を効率よく促進することはでき ないが,脂溶性 NHPI 誘導体を調製し触媒として用いることで,極めて高い触媒効率でシク ロヘキサンの無溶媒空気酸化が進行することが明らかになった(Fig. 2)。

Figure 2. Oxidation of Cyclohexane Catalyzed by NHPI Derivatives without Solvent AcOH, 100 °C + (1 atm) NHPI / Mn(acac)2 (Eq. 1) COOH COOH O2 RO NOH O O O

(6)

 アダマンタンは特異な構造を有しており,これを官能基化した化合物は高機能性材料の 原料として大変有用である。これまで,アダマンタンの酸素酸化反応が多くの研究者によっ て試みられているが,反応の収率や選択性の点で実用レベルに達していない。アダマンタン を NHPI/Co 触媒系存在下,酸素雰囲気のもと酢酸中 75 ℃で酸化すると 85%前後の収率で アダマンタノール類と少量のアダマンタノンが得られた(Scheme 4)。9) 反応条件を選ぶこ とによりモノオールとジオールを高選択的に得ることができる。本方法により合成された ジオールやトリオールから誘導されるアクリル酸やメタクリル酸エステル類は有用なフォト レジストの原料として製造されている。 Scheme 4.  tert-ブチルアルコールは,溶媒としての用途の他にガソリンのオクタン価を上げるための 添加剤としての用途もあるが,高純度のものが要求され工業的にはイソブテンの水和により 製造されている。イソブタンの酸化によるtert-ブチルアルコールの直接的な合成はより合理 的な方法と考えられる。従来のイソブタンの自動酸化プロセスは,tert-ブチルヒドロペルオ キシドを合成する目的で行われており,空気加圧下(10 atm),200 ℃前後で酸化を行い,8% 程度の転化率で,大略tert-ブチルヒドロペルオキシド(75%),tert-ブチルアルコール(21%), およびアセトン(2%)を得ている。10) イソブタンをNHPI/Co触媒系を用い空気加圧下ベンゾ ニトリル中で酸化すると,80%の収率でtert-ブチルアルコールが得られた(Eq. 2)。11) O2 Co(OAc)2 (0.5 mol%) + NHPI (10 mol%) + OH OH OH AcOH, 75 °C (1 atm) O O O O O O O O etc. R R R (R = H or CH3)

4. アルキルベンゼン類の酸化反応

 トルエンやキシレンに代表されるアルキルベンゼン類の酸素酸化によるカルボン酸の合成 は工業的に重要な反応である。トルエンの酸化は Co塩触媒存在下,空気加圧のもと 130-160 ℃で行われている。転化率は約 50%で安息香酸を 80%前後の選択率で得ている。12) 我々は, NHPIと微量の Co(OAc)2よりなる触媒系を用いることにより,トルエンを常温・常圧の酸素 のもと良好な収率(81%)で安息香酸と少量のベンズアルデヒドに変換することに成功した

(Eq. 3)。13) 本条件のもとで,Co(II) の代わりに Co(III) を用いると全く反応が生起せず,

Air PhCN, 100 °C Co(OAc)2 (0.25 mol%) + (10 atm) NHPI (10 mol%) (Eq. 2) OH

(7)

反応が Co(II) 塩と酸素から生成する Co(III) −酸素錯体によって開始されることがわかった

(Scheme 5)。Co(III) を用いた場合、反応の開始に必要な Co(III) −酸素錯体が生成しないた

め、室温で反応が起こらない。温度を上げていくと Co(III) は基質により徐々に Co(II) に還元 され,これが酸素と反応して Co(III) −酸素錯体を形成し反応が生起するようになる。した がって,Co(III)を用いた場合誘導期間が観測される。トルエンのような炭化水素を分子状酸 素により常温・常圧で触媒的に酸化できたことは,酸化化学において大変大きな意味をもつ ことになる。 Scheme 5.  テレフタル酸はPET樹脂の原料として大量に製造されており,今後ますますその需要が高 まるものと予想されている。現在,テレフタル酸の製造は,高温・高圧条件下,Co/Mn/Br を 触媒とする p- キシレンの自動酸化により行われている。この方法は Amoco 社により開発さ れたが,臭素の気相への散逸や反応器を腐食するなどの問題点があり,ハロゲンフリーな触 媒系の開発が望まれている。  我々は,NHPI 触媒を用いることにより p- キシレンからテレフタル酸へのハロゲンフリー な実用的酸素酸化法を開発した(Scheme 6)。さらに NHPI をアセトキシ化した N- アセト

キシフタルイミド(NAPI)もNHPI と同様に高い触媒活性を示し,NAPI を触媒に用いること

O2 Co Species (0.5 mol%) + (1 atm) (Eq. 3) COOH NHPI (10 mol%)

Co Species Temp (°C) Conv. (%) Select. (%)

25 84 96 25 74 96 25 no reaction 100 92 99 Co(OAc)2 Co(acac)2 Co(acac)3 Co(acac)3 AcOH NOH O O CH2OOH CH3 CH2 CH2OO O2 NOH O O NO O O CoII CoIIIOO CoIIIOOH O2 COOH etc.

(8)

によって,NHPI触媒を用いる場合の1/2の触媒量でテレフタル酸が同程度生成することを見 出した。14) また,最近トリヒドロキシイミノシアヌル酸(THICA)が極めて高い触媒活性 を示すことを明らかにした。NHPI 触媒による p- キシレンの酸化では,テレフタル酸を一段 で 80%以上の収率で得るためには触媒量が基質に対し 20 mol% 必要であったが,THICA 触 媒を用いた場合,3 mol% の触媒量でほぼ同等の結果が得られた。 Scheme 6.  アルキル複素環化合物の側鎖を酸化して得られるカルボン酸類は,医薬品の合成中間体と して幅広く使用されている。例えば,ピコリンの酸化により得られるニコチン酸は,ビタミ ンの合成原料として非常に重要である。現在ニコチン酸は,5- エチル -2- メチルピリジンを 高温・高圧下,硝酸酸化して製造されているが,大量の NOx の生成が問題となる。これま で,Co/Mn/Br 触媒系を用いたピコリンの自動酸化法が報告されているが,反応条件が厳し く選択性も高くない。15)

 触媒量の NHPI 存在下,極微量の Co(OAc)2および Mn(OAc)2を共存させ,常圧酸素のもと

酢酸中でβ- ピコリンの酸化を行ったところ,ニコチン酸が高収率(77%)で得られることが

わかった(Eq. 4)。16a) NHPI/Co/Mn 触媒を用いる本反応は,NOx を生成しないクリーンな 反応プロセスであり,工業的にも有用な反応になるものと思われる。一方,3- メチルキノリ ンを酸化して得られる3-キノリンカルボン酸類は天然に広く存在し,その薬理活性について 多くの研究例があるが,これまでKMnO4やCrO3のような重金属塩を酸化剤に用いられてき た。我々は,NHPI/Co/Mn 触媒系に少量の NO2を共存させることで,3- メチルキノリンの酸 素酸化反応が極めて良好に進行し,キノリンカルボン酸がよい収率(75%)で得られること を見出した(Eq. 5)。16b) さらに,遷移金属塩がなくても NHPI/NO 2系により,キノリン類 の酸素酸化が行えることが明らかになった。従来,分子状酸素を酸化剤とするキノリン類の 酸化反応の成功例はなく,本反応が最初の例となる。 AcOH, 100 °C + (1 atm) O2 COOH HOOC NOH O O N N N HO O OH O OH O NOAc O O

NHPI NAPI THICA

Catalyst / Co(OAc)2 / Mn(OAc)2

cat. 20 mol% yield 82% 10 mol% yield 80% 3 mol% yield 88% AcOH, 100 °C + (1 atm) N O2

NHPI / Co(OAc)2 / Mn(OAc)2

N COOH AcOH, 100 °C + (1 atm) N O2

NHPI / Co(OAc)2 / Mn(OAc)2 / NO2

N COOH

(Eq. 4)

(9)

 フェノールの工業的な製造は,クメンを弱アルカリ性条件下,90-120 ℃での空気加圧(5-7 気圧)のもとで自動酸化し,クメンヒドロペルオキシドへと変換した後(収率 20-30%), 反応液から未反応のクメンを除いて濃縮し,それを希硫酸で処理することにより,フェノー ルとアセトンに変換する二段法が採用されている。この方法は,1940 年代に確立されて以 来,今でも工業的な製法として利用されている。しかしながら,一段目の反応効率が高くな いため,クメンからクメンヒドロペルオキシドの生成効率を上げることができれば,より有 用な反応になるものと期待される。NHPI 触媒を用い,ラジカル開始剤として AIBN を共存 させ,遷移金属塩非存在下でクメンをアセトニトリル中で酸化した後,反応液に少量の塩化 インジウムを加え反応させることで,フェノールが 77%の収率で得られることが明らかに なった(Eq. 6)。17)

5. アルケンおよびアルキンの酸素酸化反応

5.1 過酸化水素の製造とアルケンのエポキシ化

 分子状酸素を酸化剤とするアルケン,特にプロピレンのエポキシ化は工業的に大規模に行 われており,その主要な方法の一つにHalcon プロセスがある。この方法は,エチルベンゼン の自動酸化によりエチルベンゼンヒドロペルオキシドを生成した後,これを酸化剤に用いて Mo触媒系によってエポキシ化する二段階プロセスよりなっている。18)  以前,我々は第2級アルコールの NHPI 触媒による酸素酸化によって過酸化水素とケトン が得られることを見出している。19) この反応で生成する過酸化水素をアルケンのエポキシ化 に利用した。1-フェニルエタノールとcis-2-オクテンを常圧酸素雰囲気のもと触媒量のNHPI とヘキサフルオロアセトン(HFA)の存在下で反応を行うと,生成した過酸化水素が HFA に 付加してヒドロペルオキシドが得られ,これが真の酸化剤となりcis-エポキシドを86%の収 率で与えた(Eq. 7)。20) 一般にアルデヒドを用いた分子状酸素による cis- オレフィンのエポ キシ化反応においては,ラジカル的に反応が進行するため cis- および trans- エポキシドの混 合物を与えるため,21) 酸素によるcis-オレフィンの立体特異的なエポキシ化は通常困難な反 応である。 CH3CN, 75 °C + (1 atm) (Eq. 6) O2 OH

NHPI cat. InCl

3 25 °C OOH O (cis/trans = 98/2) O2 PhCN, 80 °C (CF3)2CO (10 mol%) + PhCH(OH)CH3 (5 eq.) (1 atm) NHPI (10 mol%) (Eq. 7)  本エポキシ化反応は (i)ラジカル反応である NHPI 触媒によるアルコールと酸素からの α-ヒドロキシヒドロペルオキシド(A)を経る過酸化水素の生成,(ii)過酸化水素と HFA か ら誘導されるα-ヒドロキシヒドロペルオキシド(B)によるアルケンのエポキシ化反応を含む (Scheme 7)。NHPI 触媒による第2級アルコールの酸化は過酸化水素の優れた合成法にも なる。22)

(10)

Scheme 7.

5.2 アルキンのプロパルギル位への酸素導入反応

 アルキンのプロパルギル位の C-H 結合解離エネルギーは,およそ 85 kcal mol-1であること が知られており,アルケンのアリル位のそれ(約 87 kcal mol-1)とほぼ等しい。23) そこで, NHPI触媒を用いアルキンを酸素酸化するとプロパルギル位が選択的に酸素化され,相当す るα- アルキニルケトンが得られることが期待される。4- オクチンを NHPI(10 mol%)と微 量の Co 錯体の存在下,酸素雰囲気のもとアセトニトリル中で反応させたところ,反応は室 温で起こり 4- オクチン -3- オンが 75%の収率で生成することが明らかとなった(Eq. 8)。24) α-アルキニルケトンは,通常,金属アセチリドとアシル化剤のカップリング反応により合成 されるが,プロパルギル位への酸素導入反応は,SeO2触媒存在下,tert-BuOOH による酸化 反応などが知られている程度であり,25) 本反応は分子状酸素による酸素導入の初めての成 功例である。 R R' OH F3C CF3 O F3C HO CF3 OOH R1 R 2 R1 R 2 O R HO R' OOH O2 H2O2 First Step R R' OH NOH O O NO O O R R' O + H2O2 F3C HO CF3 OH or Second Step O2 H2O A B

6. K/A- オイルの酸素酸化反応

 K/A オイル(シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合物)は,石油化学工業におい て重要な中間体であり,アジピン酸などの合成原料として利用されている。Baeyer-Villiger酸 化は,シクロアルカノンをラクトンへと変換する反応であるが,分子状酸素を酸化剤とする 触媒的な Baeyer-Villiger 酸化反応はこれまで報告例がない。ε- カプロラクトンは,シクロ ヘキサノンの過酢酸による Baeyer-Villiger 酸化で製造されている。もし過酢酸を用いず酸素 により触媒的に K/A オイルを Baeyer-Villiger 酸化し,ε- カプロラクトンを合成できれば,危 険な過酢酸を必要としない極めて有用な反応になるものと思われる。  我々は,NHPI 触媒を用いた第2級アルコールの酸素酸化において,α- ヒドロキシヒドロ O2 Co(acac)2 (0.5 mol%) + (1 atm) NHPI (10 mol%) (Eq. 8) CH3CN, 25 °C O

(11)

ペルオキシドを経由して,ケトンと過酸化水素が生成することを明らかにしている。19) そこ で,第2級アルコールを含む K/A- オイルの酸素酸化反応を利用することで,in situ で過酸 化水素を生成させ,これを酸化剤とする Baeyer-Villiger 酸化を達成した。本反応は,K/A オ

イル中のシクロヘキサノールを酸素酸化し,過酸化水素とシクロヘキサノンに変換し,InCl3

によるシクロヘキサノンの過酸化水素によるBaeyer-Villiger酸化を経てε-カプロラクトンを 得るものである(Scheme 8)。26) InCl3は水に安定な Lewis 酸であり反応後回収し再利用で きる。 Scheme 8.  さらに,触媒量の NHPI 存在下,K/A オイルを酢酸エチル中で酸素酸化し,続いてアンモ ニアガスで処理することにより,ペルオキシジシクロヘキシルアミン(PDHA)が良好な選 択率で得られることが明らかになった(Eq. 9)。PDHA は,容易に収率よくε- カプロラクタ ムへ変換できることが知られており,本反応は分子状酸素を用いたε-カプロラクタム前駆体 の新規合成法となり,硫安を生成しない方法として興味がもたれる。 O OH O2 O O HO OOH H2O2 InCl3 O O + + + + 2 NHPI

7. NHPI 触媒を用いるアルカンの官能基化

7.1 アダマンタンへの CO 導入反応

 NHPIを触媒とするCO/O2系によるアダマンタン類のラジカル的なカルボキシル化が比較

的高い選択率で達成できた。アダマンタンを NHPI(10 mol%)の存在下,CO/air(15/1 atm) のもと 60 ℃で反応させると,選択率 56%(転化率 75%)でアダマンタンカルボン酸が少量 の酸化生成物と共に得られた(Eq. 10)。27) 飽和炭化水素の CO によるカルボニル化反応は 困難な反応の一つであるため,アルカンの触媒的なラジカルカルボニル化の例は少なく,過 硫酸塩を用いたり光照射下での反応が報告されているに過ぎない。28) O OH O2 NH3 + + NHPI O N H O PDHA (Eq. 9) cat. LiCl NH O CO/Air

+ NHPI (10 mol%) + (Eq. 10)

COOH

COOH COOH

CH3CN 60 °C (15/1 atm)

(12)

Scheme 9.  アルカンのスルホン化の研究はほとんど展開されていない。アルカンを SO2/O2を用い光 照射で行われている例があるが,その効率は低くその後も研究は進展していない。 アダマン タンは NHPI 触媒を用いることにより SO2/O2雰囲気のもと極少量の VO(acac)2を共存させて 反応を行うとスルホン化が生起し,アダマンタンスルホン酸が良好な収率で得られることを 見出した(Scheme 10)。さらに,本反応は VO(acac)2のみでも触媒されことがわかった。プ ロパンのような低級アルカンも本方法を用いることにより室温条件のもと効率よくスルホン 化できることが明らかになった。32)

7.2 アルカンの触媒的ニトロ化とスルホン化反応

 芳香族化合物のニトロ化反応とスルホン化反応は確立された反応であるが,アルカンのニ トロ化やスルホン化の一般性のあるよい方法はまだ開発されていない。アルカンのニトロ化 は工業的にも重要な反応であり,硝酸あるいは NO2をニトロ化剤として 250 ∼ 400 ℃といっ た高温のもとで行われている。このような高温では炭素―炭素結合の開裂も併発しニトロ化 反応の選択性は非常に悪い。例えば,シクロヘキサンの NO2によるニトロ化が 240 ℃で行わ れているが,ニトロシクロヘキサンの収率は高々16%程度である。29) 触媒量のNHPI存在下, シクロヘキサンと NO2との反応を空気雰囲気のもと行ったところ,反応は 70 ℃でスムース に進行し,ニトロシクロヘキサンが NO2基準で 70%程度の収率で得られることを見出した (Scheme 9)。また,反応後触媒は,単にろ過によりほぼ定量的に回収できることがわかっ た。30) NO2の代わりに硝酸をニトロ化剤としたニトロ化反応にも成功している。31) + (1 atm) 70 °C NO2 NO2 cat. NHPI NO2 NO2 NO2 NO2 NO2 C6H13NO2 50% 60% 77% 60% 46% 54% 70% SO2/O2 SO 3H + (1 atm) AcOH, 40 °C NHPI / VO(acac)2 COOH SO3H SO3H SO3H C8H17SO3H 91% (70%) 78% (46%) 91% (68%) 83% (56%) Select. (Conv.) 98% (43%) Scheme 10.

(13)

7.3 アルカンのオキシム化反応

 シクロヘキサノンオキシムは6-ナイロンの原料として重要であり,シクロヘキサンをシク ロヘキサノンへと酸化した後,ヒドロキシルアミン塩と反応させることで製造されているが, この方法では大量の硫安の副生が問題となっている。NHPI を触媒に用い,シクロヘキサン と亜硝酸 tert- ブチルの反応をアルゴン雰囲気のもと酢酸中 80 ℃で行うと,シクロヘキサノ ンオキシムが生成することを見出した(Scheme 11)。本反応は硫安の副生を伴わない新規 なオキシム合成法であり,シクロヘキサンを一段でオキシム化できることから,画期的な合 成法となることが期待されている。しかも,亜硝酸 tert- ブチルはアルコールと NO2から容 易に合成でき,tert-ブチルアルコールは循環再使用が可能であることから,極めて原子効率 の高い反応となっている。 Scheme 11.

7.4 NHPI を触媒とするアルカンからアルキルカチオンの生成

 一酸化窒素(NO)はラジカルとして存在する 2 原子分子であり,分子状酸素と同じよう にNHPI から水素原子を引き抜きPINOを生成させることができれば,NOの新しい合成反応 への応用が可能となる。そこで,NHPI 触媒存在下,NO 雰囲気のもとアダマンタンを少量の 酢酸を含むベンゾニトリル中で反応を試みたところ,N-1- アダマンチルベンズアミドが 65 %の収率で得られた(Scheme 12)。33a) さらに,フタランと NO の反応をアセトニトリル中 で試みたところ,フタルアルデヒドが生成することを見出した(Scheme 13)。33b) フタル アルデヒドは一般に,o-キシレンをテトラブロモ化した後,加水分解することにより合成さ れており,34) フタランから直接フタルアルデヒドが合成された例は知られていない。本反応 は,中間体にカルボカチオンが生成し,反応系中の水が求核剤となりヘミアセタールが形成 される。ヘミアセタールはさらに同様な反応過程を経てフタルアルデヒドに酸化されるもの と考えられる。 + AcOH, 80 °C NHPI NO2 ONO NOH ONO OH NOH H2O cat. NHPI

(14)

Scheme 12.

Scheme 13.

 NHPI 触媒を用いて発生させたアルキルラジカルを硝酸セリウムアンモニウム(CAN)で

一電子酸化し,アルキルカチオンを生成できることを見出した(Scheme 14)。本反応は,

NHPIと CAN の反応により PINO が生成して進行することが明らかになっている。これによ

り,これまで困難であったベンジル位での Ritter 型反応が可能となった。35) Scheme 14. NO NHCOPh + (1 atm) NHPI (10 mol%) PhCN / AcOH, 100 °C NO O O NOH O O + + PhCN N C Ph + H2O -H+ N C Ph OH2 3NO HN C Ph O N2 + NO3 -N2 NO O NO CHO CHO NHPI (10 mol%) CH3CN, 60 °C + (1 atm) O O O OH H2O NHPI-NO NO NHPI-NO + EtCN, 100 °C NHPI CAN NH Et O Ph HN C Et O Ph HN C Et O HN C Et O HN C Et O N HC Et O H N C Et O N HC R O 56% (93%) 69% (69%) 93% (63%) 74% (93%) 28% 80% (51%) 93% (57%) (R = Et) 91% (82%) (R = nPr) 83% (72%) (R = Ph) Select. (Conv.)

(15)

7.5 極性変換触媒としての利用

 アルゴン雰囲気のもと,触媒量の NHPI 存在下,開始剤として BPO を用い,トルエン中ア ルデヒドとアルケンの反応を行ったところ,対応するケトンが好収率で得られた。本反応は, ラジカル的に進行し,Scheme 15に示すように NHPI が極性変換触媒として働いている。36) アシルラジカルのアルケンへの付加によって生成する付加ラジカルは求核的な性質があり, アルデヒドよりNHPIからより容易に水素原子を引抜くため連鎖がスムースに進行するよう になる。 Scheme 15.

8. 触媒的な炭素ラジカルの生成を基軸とする C-C 結合形成反応

 ラジカルカップリング反応は,有機合成上有用な C-C 結合形成法の一つである。先に示し たようにNHPI/O2系を用いることによりアルカンからアルキルラジカルを発生させることが できる。そこで,生成したラジカルをオレフィンで捕捉することを目的に,NHPI/O2系を用 いて,アルカンとα,β- 不飽和エステルとの反応を検討した。NHPI/Co(acac)3触媒存在下,空 気雰囲気のもとアダマンタンとアクリル酸メチルの反応を行ったところ,生成したアダマン チルラジカルがアクリル酸メチルの二重結合に付加した後,分子状酸素が導入された三成分 カップリング生成物が良好な収率で得られることがわかった(Scheme 16)。37) 本反応はア ルケンのオキシアルキル化とも言うべき反応であり,C-C結合形成と同時に酸素が導入され る新しいタイプのラジカルカップリング反応である。 + PhCH3, 80 °C R2 NHPI / BPO R1 H O under Ar R2 R1 O NOH O O In R1 H O NOH O O NO O O R1 O R1 H O In R1 O R2 R2 R1 O R2 NOH O O

(16)

Scheme 16.  NHPI/O2系を用いて 1,3- ジオキソランとアクリル酸メチルの反応を行ったところ,室温で 良好に反応が進行し,対応するβ- ヒロドキシアセタールが得られる(Scheme 17)。カップ リング生成物のアセタール部位は,酸により容易に対応するケトンへと変換できる。本反応 はアルケンへのアシルラジカル等価体の付加反応であり,アルケンのオキシアシル化反応と して有用である。38) + PhCN, 75 °C + CO2Me O2 NHPI / Co(acac)3 CO2Me OH (or O) CO2Me X R CO2Me X CO2Me R X CN R CN OH CN R OH CO2Me R X CONH2 R : 3,5-dimethyladamantyl , X : =O or -OH R X CO2Me CO2Me X 78% 91% 98% 66% 78% 96% 64% 54% 59% Scheme 17. COMe OOH O O O Me OH O COMe O Co MeCOOH CO2Me OH O O CHOMe R4 R1 OH + 25 °C + R4 O2 NHPI / Co(OAc)2 O O R1 O O H+ R4 R OH O R1 = H or alkyl R2 R3 R2R3 R2 R3 R4 Yield (%) H CO2Et H H H Me H H Me H CO2Me CO2Me CO2Et CN CN 84 77 77 60 60 R2R3

(17)

 先に示したように,NHPI/O2系を用いることによりアルコールからα-ヒドロキシ炭素ラジ カルを生成させることが可能である。そこで,生成したα- ヒドロキシ炭素ラジカルを,α,β -不飽和エステルで捕捉する反応を試みたところ,これまで合成が困難であったα- ヒドロキ シ -γ- ラクトンが合成できることが明らかになった。例えば,触媒量の NHPI および Co 塩存 在下,イソプロパノールとアクリル酸メチルの反応を行うと,α- ヒドロキシ -γ,γ ジメチル -γ-ブチロラクトンが得られた(Scheme 18)。この反応は,(i)酸素雰囲気のもとNHPI/Co(II) 系によってアルコールから水素原子が引抜かれα- ヒドロキシ炭素ラジカル(A)が生成し, (ii)Aがアクリル酸メチルに付加して B が得られ,(iii)その後酸素の導入によりジオール C を経て,(iv)分子内環化してラクトンに変換されるものである。39) Scheme 18.

9. おわりに

 ここで述べた研究成果は,関西大学の共同研究者諸氏による努力の賜物であり,ここに深 く感謝申し上げます。また,本研究の一部は文部省科学研究費補助金,および日本学術振興 会未来開拓学術研究推進事業,ダイセル化学工業株式会社の援助のもと行われたものであり, ここに併せて感謝申し上げます。 OH CO2Me OH CO2Me OH OH Co(II)/O2 (i) (ii) (iii) (iv) CO2Me O O HO OH + CH3CN, 60 °C + CO2Me - MeOH A B NHPI PINO O2 O2

NHPI / Co(acac)3/ Co(OAc)2

C O O HO O O HO O O HO nC5H11 O O HO O O nC6H13 O O HO MeOOC O O tC4H9 O O HO HO HO 78% 71% 90% 74% 71% 83% 80% 41%

(18)

参考文献

1. (a) D. P. Curran, “Comprehensive Organic Synthesis” Ed by B. Trost, I. M. Fleming, Pergamon, 1991, Vol. 4, Chapters 4.1 and 4.2 (b) I. Ryu, N. Sonoda, D. P. Curran, Chem. Rev., 96, 172 (1996). (c) P. Renaud, M. P. Sibi, “Radicals in Organic Synthesis” Wiley-VCH, 2001, Vol. 1, Basic principles, and Vol. 2, Applications.

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(19)

33. (a) S. Sakaguchi, M. Eikawa, Y. Ishii, Tetrahedron Lett., 38, 7075 (1997). (b) M. Eikawa, S. Sakaguchi, Y. Ishii, J. Org. Chem., 64, 4676 (1999).

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36. S. Tsujimoto, T. Iwahama, S. Sakaguchi, Y. Ishii, Chem. Commun., 2001, 2352. 37. T. Hara, T. Iwahama, S. Sakaguchi, Y. Ishii, J. Org. Chem., 66, 6425 (2001). 38. K. Hirano, T. Iwahama, S. Sakaguchi, Y. Ishii, Chem. Commun., 2000, 2457. 39. T. Iwahama, S. Sakaguchi, Y. Ishii, Chem. Commun., 2000, 613.

執筆者紹介 石井 康敬(いしい やすたか) 関西大学 工学部 教授 [ご略歴] 1967 年 関西大学工学研究科修士課程修了,工学博士。1967 年 4 月 関西大学工 学部助手,1977 年 10 月 同学部専任講師,1983 年 4 月 同学部助教授を経て,1990 年 4 月 より現職。 1987 年 石油学会論文賞,1999 年 日本化学会学術賞,同年 有機合成化学協会賞,受賞。 [ご専門] 有機合成化学,触媒化学 坂口 聡(さかぐち さとし) 関西大学 工学部 助手 [ご略歴] 1995年 3月 関西大学大学院工学研究科博士課程前期課程修了,工学博士。1995 年 4 月より現職。 [ご専門] 有機合成化学 N-Hydroxyphthalimide [H0395] 500g 17,500 円 25g 2,000 円 N-Hydroxy-4-nitrophthalimide [H1036] 5g 9,500 円 N O O OH N O O OH O2N

 TCI 関連製品

(20)

チアカリックスアレーン / Thiacalixarene

B2296 4-tert-Butylthiacalix[4]arene (1) 5g 8,400 円 1g 2,850 円  カリックスアレーンはクラウンエーテル,シクロデキストリンに続く第3のホスト化合 物で,優れたゲスト認識能を有しており,そして,新たな機能の発現を目指して分子修飾 が盛んに行われています。そうした修飾カリックスアレーンの一つに架橋部分のメチレン をイオウ原子で置き換えたチアカリックスアレーン 1 があります。S. Miyano ら1)が p- 置 換フェノールとイオウから一段階で 1 を合成する方法を報告して以来,1 に関する研究が 多方面で活発に行われています。  例えば,カチオン認識能を利用したものとして金属イオンの液−液抽出が報告されてい ます2)。1 はソフトな金属イオンと,スルホニルカリックスアレーン 2 はハードな金属イ オンと,そしてスルフィニルカリックスアレーン3はソフト,ハードの両方の金属イオン と錯体を形成します。ことに3は金属イオンのハード,ソフトの性質に応じてスルホキシ ドの酸素あるいはイオウのいずれかが配位子として働くユニークなホスト化合物です。  疎水認識能を利用したものとして,水中からの有機ハロゲン化合物の除去が挙げられま す。有機ハロゲン化合物を含む水溶液にスルホン化したチアカリックスアレーン 4 を加 え,錯形成させ,これを弱塩基性イオン交換カラムに通過させます。すると有機ハロゲン 化合物と錯形成した4は弱塩基性イオン交換樹脂に保持され,有機ハロゲン化合物を含ま ない水が溶出します3)。  1の水酸基にキラルなアミドを導入したチアカリックスアレーン5が開発されています。 5をキャピラリーカラムに被覆してGC用光学活性固定相として用い,アミノ酸,アルコー ル,アミン誘導体の光学異性体分離が報告されています4)。それによれば,多くの場合, エナンチオマー間の分離度は1.02以上で,十分な分離を示します。 OH tBu S 4 OH tBu SO2 4 OH tBu SO 4 OH SO3Na S 4 O t Bu S 4 1 2 3 4 5

NaBO3·4H2O (9.4 mol eq.) / CHCl3-AcOH, 50 ˚C, 18 h NaBO3·4H2O (4.4 mol eq.) / CHCl3-AcOH, 50 ˚C, 4.5 h conc. H2SO4, 80 ˚C, 4 h

H2O, NaCl

BrCH2COOEt (8-fold excess), Na2CO3 K2CO3 / DMSO-H2O SOCl2 (S)-1-Phenylethylamine, Et3N i) ii) iii, iv)

v, vi, vii, viii)

i) ii) iii) iv) v) vi) vii) viii) CH2 C O NH Ph Me (cont.)

(21)

有用な縮合剤 / Useful Reagent for Condensation Reaction

M1439 2-Methyl-6-nitrobenzoic Anhydride (1) 5g 11,900 円 1g 4,600 円  本品1は椎名らが開発した脱水縮合剤で,ほぼ当モル量のカルボン酸とアルコールから エステルを合成する際に用いられます1)。1 を利用するエステル化反応は室温下,塩基性 から中和条件下で進行し,極めて高い収率と化学選択性をもってエステルを得ることがで きます。またラクトン合成への応用も報告され2),多方面での利用が期待されています。

文  献 1)A new condensation reaction for the synthesis of carboxylic esters from nearly equimolar amounts of carboxylic acids and alcohols

I. Shiina, R. Ibuka, M. Kubota, Chem. Lett., 2002, 286.

東京化成工業(株), 特願 2002-180614.

2)A novel and efficient macrolactonization of ω-hydroxycarboxylic acids

I. Shiina, M. Kubota, R. Ibuka, Tetrahedron Lett., 43, 7535 (2002). 関連製品 M1438 2-Methyl-6-nitrobenzoyl Chloride 5g 14,200円 1g 5,550円 R1OH O HO R2 + (1.2 eq.) O R1O R2 + O R1O Me NO2 ester A ester B O O Me NO2 2 r.t. (1.0 eq.) (1.2 eq.) 1) , Et3N, DMAP (cat.) 1 R1 R2 Yield of A A / B Bn Ph(CH2)2 95% >200/1 THPO(CH2)5 Ph(CH2)2 98% >200/1 c-C6H11 quant. >200/1 Ph(CH2)2CHCH3 *)

*) 1.3 equiv. of carboxylic acid and 1.3 equiv. of 1 were used.

 本品1は架橋部位がイオウ原子で,このイオウ原子の存在により特有のゲスト認識能を 示します。また,1 は水酸基,架橋部位,ベンゼン環を化学修飾することができ,新たな 機能を有するホスト分子の設計,合成が容易に行えます。したがって,1 は極めて魅力あ るホスト化合物といえます。

文  献 1)Facile synthesis of p-tert-butylthiacalix[4]arene

H. Kumagai, M. Hasegawa, S. Miyanari, Y. Sugawa, Y. Sato, T. Hori, S. Ueda, H. Kamiyama, S. Miyano, Tetrahedron Lett., 38, 3971 (1997).

株式会社コスモ総合研究所 , コスモ石油株式会社 , 特開平 9-227553.

2)Selective oxidation of thiacalix[4]arenes and their coordination ability to metal ions

N. Iki, H. Kumagai, N. Morohashi, K. Ejima, M. Hasegawa, S. Miyanari, S. Miyano,

Tetrahedron Lett., 39, 7559 (1998).

N. Iki, N. Morohashi, F. Narumi, S. Miyano, Bull. Chem. Soc. Jpn., 71, 1597 (1998). N. Morohashi, N. Iki, A. Sugawara, S. Miyano, Tetrahedron, 57, 5557 (2001). 3)Water-soluble host molecule

N. Iki, T. Fujimoto, S. Miyano, Chem. Lett., 1998, 625.

N. Iki, T. Fujimoto, T. Shindo, K. Koyama, S. Miyano, Chem. Lett., 1999, 777. 4)Chiral recognition

N. Iki, F. Narumi, T. Suzuki, A. Sugawara, S. Miyano, Chem. Lett., 1998, 1065. (cont.)

(22)

エレクトロルミネッセンス素子材料

/ Electroluminescence Device Material

B2269 4,4'-Bis[di(3,5-xylyl)amino]-4''-phenyltriphenylamine (1) 1g 115,000 円 100mg 19,200 円 B2305 4,4'-Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenylamino]-4''-phenyltriphenylamine      (2)  1g 115,000 円 100mg 19,200 円 T2004 N,N'-Bis(3-biphenylyl)-N,N'-bis(p-terphenyl-3-yl)benzidine (3) 1g 129,000 円 100mg 21,900 円  エレクトロルミネッセンス(EL)素子は次世代表示装置の発光素子として注目されてお り,一部で実用化されつつあります。そして,素子性能の高効率化や駆動寿命の向上など を意図した研究が活発に行われています。そうした研究成果の一つとして本品1∼3を用 いた EL 素子が報告されています。例えば,1 あるいは 2 を正孔注入層として用いた EL 素 子は,従来のものと比べ駆動寿命が長く,かつ耐熱性に優れています。また,3 は優れた 正孔輸送層として注目されています。 文  献 Chem. Abstr., 131, 344031. 月刊ディスプレイ , 2000 年 7 月号特集“注目のディスプレイと周辺技術” 城戸淳二 , ファインケミカル , 25, 52 (1996). 安達千波矢 , 谷口彬雄 , 高分子 , 47, 457 (1998). 鄒徳春 , 筒井哲夫 , 機能材料 , 18, 36 (1998). 星野聰 , 機能材料 , 19, 39 (1999). N N N CH3 CH3 CH3 H3C CH3 H3C CH3 H3C 1 N N N 2 N N 3

(23)

アルコールの保護 / Protection of Alcohols through Radical Coupling

新しいアルコールの酸化法 / New Oxidation of Alcohols

T1956 Tris(2-methoxyphenyl)bismuth Dichloride (1a) 1g 12,900 円 T1957 Tri-o-tolylbismuth Dichloride (1b) 5g 28,500 円 1g 8,500 円  本品1は俣野らによって開発された5価の有機ビスマスで,温和な条件下アルコール類 をアルデヒド,ケトンに酸化することができます。1 を用いるこの反応は,塩基の存在下 で高い収率と化学選択性を持って進行します。1 は室温で安定で,また,ビスマスは毒性 の低い元素とされています。そのため,取り扱い易く極めて有用な酸化剤と言えます。

文  献 1) Y. Matano, H. Nomura, Angew. Chem. Int. Ed., 41, 3028 (2002).

2)東京化成工業(株),特願 2001-337065. OH R'' R' O R'' R' Y. 94% Y. 98% R'=n-C9H19 R'=CF3 R''=H R''=Ph toluene, r.t. When using 1b, R Bi Cl Cl 3

1 (1.1 eq.) , DBU (1.1 eq.)

ROH O RO 1 (0.5 mol) (1.0 mol) reflux THF

R : Various alkyl groups containing functional groups such as olefin, sulfide, acetal etc.

n-Bu4N O S O O O 2 1a) Y. 81-97% B2151 Bis(tetra-n-butylammonium) Peroxydisulfate (1) 5g 10,700 円  THF 中,本品 1 を用いることにより,種々のアルコールの水酸基をテトラヒドロフラ ニル基で容易に保護することができます1a)。この反応は,テトラヒドロフラニルラジカ ルとアルコキシラジカルのカップリングにより達成され,ほぼ中性条件下で行われます。 そのため,オレフィン,スルフィド,アセタールなどの官能基を有するアルコール類の保 護にも利用できます。  同様にして,THP を用いると水酸基をテトラヒドロピラニル基で保護することができ ます1b)

文  献 1)Tetrahydrofuranylation or tetrahydropyranylation of alcohols through radical coupling with tetra-n-butylammonium peroxydisulfate

a) J. C. Jung, H. C. Choi, Y. H. Kim, Tetrahedron Lett., 34, 3581 (1993). b) H. C. Choi, K. I. Cho, Y. H. Kim, Synlett, 1995, 207.

(24)

アームドクラウンエーテル / Armed Crown Ether

A1552 1-Aza-12-crown 4-Ether (1) 250mg 9,800 円

A1323 1-Aza-15-crown 5-Ether (2) 1g 8,500 円

A1324 1-Aza-18-crown 6-Ether (3) 5g 54,500 円 1g 15,900 円 D2743 4,10-Diaza-12-crown 4-Ether (4) 1g 58,500 円 100mg 8,900 円 D2744 4,10-Diaza-15-crown 5-Ether (5) 1g 15,800 円 D2323 4,13-Diaza-18-crown 6-Ether (6) 1g 16,000 円  クラウンエーテルが金属イオンに対して優れた配位能を持つことは良く知られています。 この環状配位子を基本骨格とし,さらに,ゲスト結合性側鎖を導入したアームドクラウン エーテルは立体的な広がりを持つ分子空孔と適度に柔軟な分子構造とを合わせ持つインテリ ジェント分子として注目を集めています1)。  本品 1 から 6 はクラウン環に窒素原子を有しており,求電子試薬により側鎖を導入するこ とで,新たな機能を有するアームドクラウンエーテルに導くことができます。例えば,ナト リウムイオンをゲストとする 12-クラウン 4- エーテルと同じ環の大きさを持つ 1 にアミノ基 側鎖を導入した 7 はリチウムイオンに対し選択性を示します2)。また,発色団を持つ金属配 位性側鎖を導入したアームドクラウンエーテル8はアルカリ金属イオンの液−液抽出に用い られ,比色分析によって金属イオンをモニタリングすることができます3)。 文  献 1)Review 築部 浩 , 有機合成化学協会誌 , 51, 851 (1993). 築部 浩 , 日本イオン交換学会誌 , 4, 23 (1993).

2)Ion-selective binding and transport properties of amine-armed azacrown ethers

H. Tsukube, K. Hori, T. Inoue, Tetrahedron Lett., 34, 6749 (1993). H. Tsukube, T. Inoue, K. Hori, J. Org. Chem., 59, 8047 (1994).

3)Synthesis of chromogenic crown ethers and liquid-liquid extraction of alkali metal ions

Y. Katayama, K. Nita, M. Ueda, H. Nakamura, M. Takagi, Anal. Chim. Acta, 173, 193 (1985). 関連製品 D2321 N,N’-Dibenzyl-4,13-diaza-18-crown 6-Ether 5g 20,000円 1g 6,650円 P1143 N-Phenylaza-15-crown 5-Ether 5g 34,500円 1g 9,900円 O HN O O n n=1 1 n=2 2 n=3 3 R X O N O O n R O HN NH O n m m=1, n=1 4 m=2, n=1 5 m=2, n=2 6 R X O N N O n m R R O HN O O O N O O (CH2)2NEt2 7 2) 1 O N O O 3) 8 O O Me HO

(25)

チアクラウンエーテルのビルディングブロック

/ Building Blocks for Thiacrown Ether Compounds

D2852 3,7-Dithia-1,9-nonanedithiol (1) 5g 33,000 円 1g 9,600 円 D2845 3,7-Dithia-1,9-nonanediol (2) 25g 41,200 円 5 g 12,000 円  本品 1 および 2 は,硫黄を含む環状化合物の合成に利用されています。例えば,1 を用い て,チアクラウンエーテルと 1,10- フェナントロリンを組み合わせた構造を持つ 3 が合成さ れています。3 のニッケル錯体は,レドックス活性を持つため新しい金属酵素モデル化合物 になり得ると考えられています1)。  また 2 から,チアクラウンエーテルと TTF を組合せた構造を持つ 4 が合成されています。 4はチアクラウンエーテル部位で遷移金属カチオンを取り込み,それに伴なってTTF 部位の 電気化学的な性質が変化するため,4の錯体は新しい電荷移動化合物になり得ると考えられ ています2)

文  献 1)A new class of mixed aza-thioether crown containing a 1,10-phenanthroline sub-unit

A. J. Blake, F. Demartin, F. A. Devillanova, A. Garau, F. Isaia, V. Lippolis, M. Schröder, G. Verani, J. Chem. Soc., Dalton Trans., 1996, 3705.

2)New tetrathiafulvalene derivatives incorporated into thiacrown ether macrocycles

T. Jørgensen, B. Girmay, T. K. Hansen, J. Becher, A. E. Underhill, M. B. Hursthouse, M. E. Harman, J. D. Kilburn, J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1992, 2907.

N N Cl Cl S HS S SH 1 DMF + Cs2CO3 Y. 20 % 1) N N S S S S 3 S S S S Cs S Cs S S S S S S S S S S S S S S S S S S S 2 S HO S OH S Br S Br PBr3 (EtO)3P neat, 125 ˚C dry pyridine DMF Y. 100 % Y. 33 % 4 2) quantitative yield

(26)

ホスホニウムイリド / Phosphonium Ylide

T1958 (Triphenylphosphoranylidene)acetonitrile (1) 5g 10,900 円  本品 1は安定なホスホニウムイリドで,Wittig試薬として様々なカルボニル化合物と反 応し,α,β- 不飽和ニトリルを与えます1)。また,本品 1 は EDCI,DMAP の存在下,カル ボン酸と反応してシアノケトホスホラン 2 を生成します。この 2 はオゾンで酸化し,次い でアミンやアルコールなどの求核剤と反応させることにより,α- ケトアミド,α- ケトエ ステルなどを合成することができます2)。近年,α-ケトアミドは酵素活性阻害剤の薬理活 性団として注目を集めています3)。1 を用いるこの合成法は,カルボン酸からα- ケトアミ ドを得るための簡便かつ有効な合成法です。 文  献 1)Reactions of 1-cyanoalkylidenetriphenylphosphoranes

H. J. Bestmann, S. Pfohl, Liebigs Ann. Chem., 1974, 1688.

2)(Cyanomethylene)phosphoranes as novel carbonyl 1,1-dipole synthons

H. H. Wasserman, W.-B. Ho, J. Org. Chem., 59, 4364 (1994).

3)A convergent synthesis of bis-2-oxo amide triacylglycerol analogues

K. Lee, Bull. Korean Chem. Soc., 23, 351 (2002).

O R2 R1 Ph3P CHCN 1 R2 R1 CN R3 OH O EDCI, DMAP 1 R3 O CN PPh3 i) O3 ii) NuH R 3 O Nu O EDCI = 1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide DMAP = 4-Dimethylaminopyridine 2

有用な還元剤 / Efficient Reducing Reagent

CO2CH3

CH3O2C

NaAlH2(OCH2CH2OCH3)2

C6H6, 25 ˚C HO OH Y. 96% 1 1a)

S0467  Sodium Bis(2-methoxyethoxy)aluminum Dihydride

(ca. 70% in Toluene) (1) 500g 7,450 円 25g 1,700 円  本品1は水素化アルミニウムリチウムとほぼ同じ還元力を持つ一方,空気中で自然発火 することがないため取り扱いが容易です。また,熱に対する優れた安定性や有機溶媒に対 する高い溶解性のため,広範囲の反応に適用することができます。反応条件によっては 様々な選択的還元を行うことができ1) ,例えば不飽和カルボニル化合物のカルボニル基 のみを選択的に還元することができます1a)。 文  献 1)Review

a) J. Málek, Organic Reactions, 36, 249 (1988). b) J. Málek, Organic Reactions, 34, 1 (1985).

(27)

ピリジンN-オキシド誘導体 / Pyridine N-Oxide Derivative

P1406 4-Phenylpyridine N-Oxide (1) 25g 27,500 円 5g 8,400 円  本品1は光学活性サレンマンガン(III)触媒を用いた無置換オレフィンのエナンチオ選択的 なエポキシ化反応において助触媒として用いられています。例えば,1 と Jacobsen 触媒の存 在下インデンに次亜塩素酸ナトリウムを作用させることにより比較的高いエナンチオ選択性 でエポキシインダン 2 が得られます。合成されたエポキシインダン 2 から光学活性アミノイ ンダノール 3 を経て HIV プロテアーゼ阻害剤が合成されています1,2)。 文  献 1)Synthesis of (1S,2R)-1-aminoindan-2-ol

J. F. Larrow, E. Roberts, T. R. Verhoeven, K. M. Ryan, C. H. Senanayake, P. J. Reider, E. N. Jacobsen, Org. Synth., 76, 46 (1999).

2)The design of a potent and orally bioavailable HIV protease inhibitor

B. D. Dorsey, R. B. Levin, S. L. McDaniel, J. P. Vacca, J. P. Guare, P. L. Darke, J. A. Zugay, E. A. Emini, W. A. Schleif, J. C. Quintero, J. H. Lin, I.-W. Chen, M. K. Holloway,

P. M. D. Fitzgerald, M. G. Axel, D. Ostovic, P. S. Anderson, J. R. Huff, J. Med. Chem., 37, 3443 (1994). N O Ph O OH NH2 NaOCl , CH2Cl2, 0 ˚C Jacobsen's catalyst 1 3 Y. 71%, 84-86% e.e. >99% e.e. 2 HIV Protease Inhibitor

受託製造サービス

化成品部 TEL 03-5651-5171 FAX 03-5640-8021 E-mail [email protected] http://www.tokyokasei.co.jp/jutaku/ ● 供給量は数キロ(kg)から数トン(ton)まで ● トンレベルの継続生産にも対応 ● 弊社製品にない化合物でもご相談ください

スケールアップします

類似反応や新規合成ルートによる製造,mg・ml 単位の少量 合成からなど,ご希望の条件で承ります。 まずは,お気軽にご相談ください。

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ご注文・カタログのご請求は ご注文・カタログのご請求に関して 東京化成販売(株) ・・・・ TEL 03-3241-0573 FAX 03-3246-2094 大阪営業所 ・・・・・・・ TEL 06-6228-1155 FAX 06-6228-1158 製品に関して 学術部 ・・・・・・・・・ TEL 03-5640-8857 FAX 03-5640-8868 E-mail [email protected] お問い合わせは オンラインカタログ 最寄りの弊社製品取扱店へ 産業技術総合研究所のデータベース公開プロジェクト"RIODB"のスペクトルデータベース (SDBS)へリンクしているので,検索した製品のスペクトルデータをご覧いただけます。 h t t p : / / w w w . t o k y o k a s e i . c o . j p / c a t a l o g / Fe Pd(PPh3)4 1 Pd(OAc)2 5 Ph3P Pd Cl Cl Ph3P 4 6 2 O Pd Ph2 P P Ph2 Pd Cl Cl 3 Pd(C6H5CN)2Cl2 2 7 Pd Cl Cl Pd パラジウム触媒の中から利用頻度の高い7品をセットにしました 1品ずつのご購入よりお求めやすい価格です <パラジウム触媒を利用する反応例> Suzuki 反応 Stille 反応 Sonogashira 反応

パラジウム触媒キット (Palladium Catalyst Kit)

1kit 46,500円

[P1430]  ※ 以下の7品目がセットになっています

Tetrakis(triphenylphosphine) Palladium(0) (1) ... 1g Bis(triphenylphosphine)palladium(II) Dichloride (2) ... 1g 1,1'-Bis(diphenylphosphino)ferrocene]palladium(II) Dichloride (3) ... 1g Bis(benzonitrile)palladium(II) Dichloride (4) ... 1g Acetic Acid Palladium(II) Salt (5) ... 1g Allylpalladium(II) Chloride Dimer (6) ... 500 mg Bis(dibenzylideneacetone) Palladium(0) (7) ... 1g B(OH)2 + X Pd cat. base R R' R R' Pd cat. + X RSnR'3 R Pd cat. R + X R R' R' CuI, R3N

Figure 1.  ESR spectrum of PINO
Figure 2.  Oxidation of Cyclohexane Catalyzed by NHPI Derivatives without Solvent

参照

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